良医の心得と歯ブラシ
黒い歯ブラシを持ってあちこち移動する私の姿はどう映るのでしょうか。昔はこんなに水垢が付着しただろうか?疑問に思いつつ、ただ気が付かなかっただけかもしれないが、気になって仕方が無い。洗面所の水道栓のまわり、風呂の蛇口、事務所の水道まわり、みごとにピンク色の輪染みがこびり着いてます。スポンジで普段洗うだけでは落ちないよごれ!これを握った歯ブラシでゴシゴシしてまわりました。
誰かのと間違えないように掃除用だけ黒い歯ブラシにしてあります。
ステンレスの鍋もシンクも白い水の染みが点々とついて汚いように思うのは私だけで母は頓着しないみたい。鍋を一々拭けば済むのだけど、そういえばフミちゃんが家に初めて来たときは、何も言わないのに洗ったお鍋を丁寧に拭いていた様子を見て、すごく嬉しかったなぁ、価値観が同じだ!と思い出しながら煮物の鍋の蓋、熱いうちにせっせと拭いてピカピカにしてみる。
卓上用コンロが煮こぼれて、更にこびり着いて錆びている。炊飯器なんか渇いたご飯の粒がこびりついてます。中蓋を外しゴムパッキンの弛みをチェックして洗う、湯沸かしポットにポット洗浄中を仕込むのも今の内、電気機具を磨いてこんな事を一通りしていたらお便所に降りて来た老人、明日(25日)は父がMRI検査です。
何でも主治医が「私は今年で80に成りますが、とても○○さんの年令まで生きられません。私が安心したいのでデータが欲しいのです」と要請されたそうです。
首が痛いのは相変わらずで「首ヘルニアかもしれないから・・・」と検査に出かけます。
「俺なんか医者を安心させるために検査するんだぞ!」とボヤクので、
「私の黒い歯ブラシと一緒ね、大事にならない内に磨いておけば、安心なのよ」と歯ブラシを振ってみせたら、ひさしぶりに苦笑いをして2階へあがった。