エピタフ
1日中聴いていました。
私と仲良しだったヘアースタイリストの高橋克信君が亡くなっていたのを、先週、彼の師匠でもあった伊藤五郎さんから伺ってショックでした。
引っ越す前の家には良く来てくれていたマッチョな高橋君の音沙汰が無くなって不思議でしたが、引っ越したうえに、姉や母、猫達を続けて亡くした私です。その内、と思っていたのが甘かったです。
五郎さんに言わせるとマッチョは見かけだけで、本当は身体が弱かったそうです。四国だったか・・・故郷にきっと葬られたのでしょう、
墓標も分らないままの別かれでした。
私の死に化粧をしてくれる約束だったのです・・・
初めて逢ったのは1969年、青山の事務所に訊ねて来たのです。売り込みでした。アンテークの少女の写真、きれいなビーズの首飾りをお土産に・・・彼の大切なコレクションの中から、一番好きなものを持ってきました、と丸い目を輝かせて・・・
私の注文のウエーヴスタイルを必死で勉強してくれました。玉三郎さんに技術を認められサド侯爵夫人のヘアーを担当する事と成り、随分玉三郎さんの舞台を和物までやらせて頂いた様です。宮沢りえさんのパルコの舞台も。
エピタフ・・・
私も思いだしてはきっと泣くでしょう。