「浮世の画家」
カズオ・イシグロの「浮世の画家」を読み終える。これは同じ何時ものイシグロスタイルの1人称で語られるお話・・・主人公の引退した絵描きと娘達の会話の古風な感じが、川端康成の「山の音」を想い起こさせます。
不思議な作家である。巧妙に組み立てられた会話から織りなされる情景を読者である我々が推理して行くと、やっぱり・・・と一応腑に落ちるのであるが、そんなことは何一つ関係無く、ふむふむと語りを聴いているだけで良いのかもしれない。
眠くてたまらないのは夕食のせいだろう。ゴーヤの付け合わせが苦くて美味しかったポークソテー。読後感想は後日にするとして、この「浮世の画家」は「日のなごり」の次に好きな作品です。