ヒジキ事件
この南ポルトガルの笑う犬ご紹介記事を書いた中に蒲鉾4切れ事件というのがあって私も同じ経験をした!と書いたのですが、私の場合は「ヒジキ事件」。新婚間もない頃、我が家は年中人の出入りが多く、大概が旦那さまが引き連れてくる会社の同僚です。何も用意してない時でもせっせと食事の支度をする健気な若妻でしたから、ホント嫌になるくらい人が勝手に出入りし、ある時など上がりがまちに肉の包みとメモ・・・夫の友人の役者です。撮影で戻るまでに作っておいてね!だと。人の集まる家は栄えるとは聞いてましたが大嘘で、米びつはいつも空っぽ、ほんとうに草臥れる新婚時代でした。
同僚を連れ戻った夫殿に丁度、できあがった山盛りヒジキを一先ず出して、お酒を出して台所に戻った健気な若妻、次の料理にとりかかり、出来上がったお皿を持って部屋に戻った僅か30分くらいの間に・・・我が目を疑いましたぜ!・・・何とさっき運んだ山盛りヒジキの丼が空っぽなのです。「わたしのヒジキは?」もちろん残ってません。エプロンに顔を埋めて号泣してしまいました。だって食べたかったから作ったヒジキです。「野蛮人!、おもいやりのかけらも無い人達なのね!」とんでもない所へ嫁に来ちゃったと思いましたよ。二人の男どもは呆然として泣きじゃくる私にかける言葉も失ってます。
40数年前の日本の男は、ほんとうに、いわゆる躾がなされていないそんな輩ばかりでしたね。10年たっても何一つ、思い遣るという心の進歩がなかったのでね、振り返りもせずにトットと出てきちゃいましたよ。食い物の恨みは恐ろしいというお粗末です。飽食の時代の今は果たしてどうなんでしょう?青目はモロッコでの蒲鉾事件ですからね・・・推して知るべし。