2005/9/26 月曜日

遠き鎌倉・・・四面楚歌

Filed under: 大河義経 — patra @ 2:29:56

野口みずきさんのマラソンとダブル
義経
に一瞬心が揺れたがチャンネルを合わせた隠居です。
お話はやっと落ち着き予算不足が招く不安要素もなく進みます。

今までが如何にお話が多過ぎたのか苦労が忍ばれます。今回のキーワードは、平重衛が呟く「時の趨勢・・」に尽きるだろう。(趨勢・・・あじさいさま、ありがとう)

梶原景時に詰め寄られた女院徳子様への見舞いに「本心」を打ち明けていたとしても義経の失墜は決して避けられない運命だったように思う・・・景季の別れの言葉さえ俄に意味を悟る事が出来ない孤立した義経さんが哀れだった。

鎌倉へ宗盛親子を差し向ける役目、義経に任せたのちの法皇の邪な目つきと台詞「人を試すのは頼朝も好みのようじゃて・・・」これだもの、まったく油断がならない。
権力を握ろうと企む人間の底知れぬ邪知にはまっすぐな義経さん等、到底かなうわけが無いからだ。

お徳の言うように「・・とは申せ回りの方々はまっすぐな貴方さまをまっすぐ見てるとはかぎりませぬ」「この隔たりは大きゅうございますな〜」に泣けます。

人としてどうにも信頼できない鼠男?伯父、行家が木曾殿への行為を持ち出し「綺麗ごとを!」と詰ると、「もう二度と切ない戦はしとうござらぬ」は義経さんの本心だろう。誠意と若さで突き進んできた事がこれほど不本意に拗れるとは義経さんの無邪気は最早通じない、いよいよ四面楚歌の兆し強い。

心の弱さを悩み抜く義経さんに強く頷く静・・こうした女性が側にいるだけでも義経さんは一瞬でも幸せであったろうと心慰めた隠居です。ここの静の描き方は好きでした。

真意を直接、言葉で訴えたい義経さんは法皇の言葉の裏など測れるものでは無い・・・飛びつくように鎌倉へ向けて旅立つのだが
途中宗盛親子と重衛を遭遇させるシチュエーションは泣かせた。

月命日に花をたむけよ・・と義経さんの優しさが現れた言葉を伝え聞いた政子が、一時は大姫の為に義経の味方になるのか?と思いきやどうも状況は違うようである。
兄頼朝だけでは無く鎌倉の重臣、大江広元が止めの進言「鎌倉武士の行く末を磐石とする為!」、そう義経さんを疎んじるに至っては術無しだ。

鎌倉の一歩手前、腰越にて足留めされる義経さん主従の狼狽ぶり・・義経さんの無念の表情は出色でありました。

政子が「源の勢力を強めてはならない・・」決定的な一言を言う来週が怖い。
夫頼朝への漠然とした怖れを政子が抱いたとしても不思議は無い。大姫の悲劇を目の当たりにし、女の本能が、権力者への疑いと重なり、北条の自尊心を護るために叫ぶ?恐ろしいや政子。

常磐しかり、時子しかり、院の徳子さま・・そして北条の出を尊ぶ政子しかり・・・血脈を残そうとする女人の本能ともいうべき闘い、それらの怨念を一身に背負う義経さんの竿さす「情」が切なく愛しく思えるので目が離せませぬ。
FIG JAMさんのほんとうに上手な見方にいつも脱帽する隠居、今回も手抜きといいつつ鎌倉恋情さんに感心しながら読ませていただきました。追って順次読ませていただきたく思います。


  1. 『義経』「遠き鎌倉」

    「自分なりの想いで……」と、確か義経は言っていたと思う。自分なりの想いで官位を受けたとか、自分なりの想いで朝廷に三種の神器を返した、とか、etcetc……。
    聞こえは非常にいいのだが、これってどうなんだろう? たとえば、会社という組織だったら、本社の意向…

    トラックバック by バガボンド・ブログ(漫画、ドラマの感想) — 2005/9/26 月曜日 @ 5:46:25

  2. いつもお世話になっております。
    わーい! TBを付けさせてもらうの、今回は一番乗りですう。
    政子さんのような人が、義経のそばに居てやったら、切腹せずに済んだろうにな……と思いました。
    今も昔も、世の中、巧く行かないもんですよね……しみじみ。

    コメント by U2 — 2005/9/26 月曜日 @ 5:50:37

  3. 義経38試す法皇試される頼朝

    もどかしい義経、悩む頼朝。兄弟の葛藤がよく描かれた今週の義経クンです。

    それにしても義経クン
    建礼門院徳子を訪ねたことを、法皇までもが知っていることの意味を、
    もっと考えないといけないのでは。

    この時点で義経クンはもう既に立派な「公人」なのです
    その….

    トラックバック by ぱるぷんて海の家 — 2005/9/26 月曜日 @ 10:24:37

  4. U2さま!
    一番乗り、ありがとうございま〜す。
    会社という組織では義経さんの自分なりに考えた・・・という論理は確かに通用しませんね。彼のような性格はやっぱり自己流で生きるしかないのでしょう。
    今でいうフリーランサ−、個性や才能こそあるけど常識では括れないような・・・

    強い政子さんみたいな人が側に・・ホントだ!!でも絶対に相入れない組み合わせのような気もします。ちょうど磁石が反発するように。つくづく切ないもんですね世の中って。コメントありがとう♪

    コメント by patra — 2005/9/26 月曜日 @ 12:20:20

  5. 大河 義経 38回 「遠き鎌倉」

    トラックバック by ■■■花壇日記■■■ — 2005/9/26 月曜日 @ 15:07:35

  6. >ここの静の描き方は好きでした
    私もです。
    庶民派ー>抑揚抑えすぎー>やっとなじんできたような
    と思ったら、静クランクアップとか。
    役作りの奥深さは、1年でも足りないのですね。
    森光子さんが、放浪記を1000回やってもまだ発見がある
    と言う記事をみても察せられます。

    コメント by あじさい — 2005/9/26 月曜日 @ 15:15:52

  7. 「義経」第38回

    「遠き鎌倉」

    建礼門院徳子を見舞ったことがこんなに問題になるなんて義経は思っていなかったでしょうね。
    法皇様にはお咎め無かったものの、梶原景時には問い詰められてしまいました。
    「敵を見舞ってどーする!」って。
    義経ってば天敵・景時にはちゃんと自分の意見を言え…

    トラックバック by ミチの雑記帳 — 2005/9/26 月曜日 @ 15:28:42

  8. こんにちは。
    義経の独りよがりがますます酷くなり、思いこみも激しいので、どんどん他の人との距離が開くのを感じました。
    まさに四面楚歌ですね。
    宗盛・重衡兄弟の今生の別れを見て義経の胸に去来するものを考えると悲しいものがありますが・・・。

    コメント by ミチ — 2005/9/26 月曜日 @ 15:35:03

  9. 京都に戦勝報告の使者

    「平家ことごとくもつて討滅の由、去夜源廷尉義経の使京都に馳せ申す。今日また源兵衛尉弘綱をもつて、傷死生虜の交名を註し、仙洞に奉ると云々」(『吾妻鏡』・4月4日条) 4月3日、 義経からの戦勝を報告する使いが京都に到着しました。ついで翌4日には、死傷者の名を記し…

    トラックバック by 源氏の歴史<NHK大河ドラマ「義経」をもっと面白く見るために> — 2005/9/26 月曜日 @ 15:36:27

  10. 大姫様の、「九朗のおじ上に会いたい・・・」にはさすがにジーンときました。
    又、宗盛・重衡兄弟の対面シーンも結構、潤みました♪平氏と源氏の兄弟のありようが対照的でした♪

    コメント by ちこりん — 2005/9/26 月曜日 @ 15:48:14

  11. いつもながら文字をしらないのにも程がある隠居、名前が逆さまだったり趨勢・・という文字が解らないまま書いたりと粗忽にも程ありですね。
    趨勢・・、皆さん耳から聞いて良くお分かりになる博学に尊敬してしまいます。
    >あじさいさま
    さりげなくTBしてくださって助かりました。感謝です、ありがとう。

    静役は最も難航したキャスティングらしいので17才、大役をめげずに頑張りましたよね。
    おつかれさま。

    >ミチさま
    昨日は貴女の所へ中々入れませんでした。
    だんだん追い詰められてゆく義経さんに心情が重なるのですよ、不器用な子ほど可愛い。あぁ段々見るのが辛くなってきます。

    コメント by patra — 2005/9/26 月曜日 @ 17:14:45

  12. >ちこりんさま

    大姫ってほんとに可哀相ですね、分っていても頼朝タイプはきらいな隠居・・これって人として負けなんでしょうね。源氏占いでは常磐で歴史占いでは政子と出て悩む私です(笑)

    コメント by patra — 2005/9/26 月曜日 @ 17:22:07

  13. こんばんは。大姫のシーンだけで終わってくれれば来週に希望が持てたんですけどね。大江広元が・・・。義経もかわいそうですが、今回は頼朝も板ばさみ状態ですね。

    コメント by いわぴい — 2005/9/26 月曜日 @ 20:07:36

  14. 義経 〜第38回〜

     都と鎌倉の距離がそのまま頼朝と義経の心の隔たりになってしまいました・・・。途中の山や川が険しいのと同じように、頼朝と義経の心を通い合わせるには大きな山が立ちはだかっていたのかもしれませんね。景時の讒言があったり・・・。それにしても頼朝はいつも「様子を…

    トラックバック by いわぴいのドラマ日記 — 2005/9/26 月曜日 @ 20:08:47

  15. 義経 第38回 「遠き鎌倉」

    今日は1日遠出していましたが、義経を見るためだけに早く帰ってきました。
    ちょっと疲れているので、今日は感想がいつもより(当社比)投げやりかもしれません。

    この頃はまだ皇族は雲の上の人で、仮にも国母になった女性への罪など、武士が口を挟める筋合いはないのでは….

    トラックバック by 鎌倉恋情 — 2005/9/26 月曜日 @ 21:09:06

  16. 第38回 「遠き鎌倉」

    今までの放送の中で今回が一番話に纏まりがあったように思う。
    捕囚となった平家の兄弟と勝者である源氏の兄弟の対比というテーマも明確だったし、
    鎌倉と京都に分かれた場面にも散??

    トラックバック by FIG JAM — 2005/9/26 月曜日 @ 21:18:04

  17. 大河ドラマ 「義経」 遠き鎌倉

    平家の公達を連れて鎌倉へ向かう義経一行です。

    トラックバック by 雨ニモマケズ 風ニモマケズ — 2005/9/26 月曜日 @ 22:29:39

  18. >いわぴいさま
    TBどうもありがとうございます。
    実は朝から何度もそちらへTBを試みたのですが出来てませんでした。
    今もトライしてみたけど・・・残念。
    大姫の元へ来るように頼まれても今度はどうやら断るらしい義経さん、もう何がなんだか自己判断不能のようで裏目裏目状態、可哀相と言うよりシャキッとせい!と言うべきなのでしょうねぇ・・・でもかわいそう。

    コメントありがとうございました。ライブドアと楽天の相性が悪いのでしょうかほんとにごめんなさい。

    コメント by patra — 2005/9/26 月曜日 @ 22:36:36

  19. 義経 第38回「遠き鎌倉」

    京都から鎌倉まで。
    現代では、新幹線とJRを乗り継いで 3時間程で行ける距離ですが、義経には 永遠にたどり着くことができなかった 遠い道のりです。

    今日は、懐かしい人のオンパレードでした!
    まずは、行家。
    寄らば大樹の陰 というわけで、義仲の次は義経に近づ…

    トラックバック by 風のうわさ — 2005/9/26 月曜日 @ 22:45:59

  20. 私も、今回の静には好感が持てました。
    石原さとみ、なかなかやるじゃない、といった感じです。

    宮尾本の中でも女性達は輝いていますが、ドラマでも、女優さん達の演技、素晴らしいです。

    コメント by ヒロ子 — 2005/9/26 月曜日 @ 23:35:33

  21. ヒロ子さ〜ん
    おはようございます。

    宮尾本、完読なさったんですよね、えら〜い。この間お邪魔して知りましたが読んでないのでションボリ戻って来ました(笑)。
    女性に特に時子に視点をおいて書いているのですよね、だから本を選ばれたのだと思いました。

    石原さとみさん、若いのでさぞ苦労だったと思いますが無事に収録が終わられたそうで良かったとしみじみ。
    役者さん、女優陣も皆さんすばらしいですよね、NHKにしては女性陣を兎に角綺麗に映してあげている点も特筆すべきと思ってます。

    コメント by patra — 2005/9/27 火曜日 @ 6:34:17

  22. >趨勢・・・あじさいさま、ありがとう
    いや、とんでもないです。変換して出てきたのを見て、これらしい・・
    くらいのものですよ〜。
    実は恥ずかしながら白紙の上で書きなさい、と言われると見事に書けません。
    29日がクランクUPという話も聞きます。最後まで皆さんがんばって欲しいです。

    コメント by あじさい — 2005/9/27 火曜日 @ 20:28:44

  23. 義経38回「遠き鎌倉」

    「己の心の卑しさが悔しく思えてな」
    思いも寄らぬ義経の言葉。
    物事に一途に真っ直ぐな心に影射す卑しさとは、親王と入れ替わった主上を兄に会う為の手段として考えた、己の邪な思いだと静に胸の内を語る義経。
    「それほどまでに頼朝さまにお会いになりたいのでしょ」
    静の…

    トラックバック by Snow*flakes — 2005/9/27 火曜日 @ 21:10:26

  24. こんばんは、patraさま。
    四面楚歌になりつつある義経さまですね。
    義経を取り巻く閉塞感、苦しむ姿を辛く観ています。
    予告、自分の新しき国を求める義経の言葉には、少しの希望がある、と思いたいのですが。

    コメント by 雪芽 — 2005/9/27 火曜日 @ 21:57:26

  25. >あじさいさま
    趨勢・・・むずかしいですよね、一寸先は闇状態を言いたかった私ですが、意味はそう違わないのでこれ頂きました(笑)

    文字書き取り、それでなくとも苦手なのでコンピューター使用以来ますます漢字が
    書けなくなってます。

    クランクアップ、1ヶ月遅れたのでしょうか、いよいよ最期なのですね。うるうるな気持ち。

    >雪芽さま
    昨日さっそく読ませていただいて感激しました。ファンならではの見方がとても愛情が篭っていて素敵でした。
    果たしてどのような結果をむかえるのか気持ちのカウントダウンも粛々とはじまりますね。

    コメント by patra — 2005/9/29 木曜日 @ 0:57:14

  26. 遅ればせ義経

     今日やっと先週の「義経」を観ることができた。

     今回は以外に見所が多かった。

     まずは、鎌倉方に下った平頼盛と平重衡の対面。「私のせいで・・・」とこれまでの苦悩を吐露する頼盛を逆に気遣う重衡。できた男です。{/face_zzz/}しかも、何しに来たのかと思えば、暗…

    トラックバック by ザクとは違うのよね — 2005/10/1 土曜日 @ 22:38:03

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