女優・・十朱幸代
ひさしぶりに十朱さんと渡さんの共演、「祇園囃子」を見ました。
脚本が倉本聡氏・・渡さんとの仕事は実に「浮浪雲」以来27年ぶりのタッグだそうでミステリアスな導入から、これでもか!という具合に渡さんを格好よく見せようと、周りを固めた軍団の努力が目立つドラマになっていました(笑)。監督は「弟」の若松節朗監督。
お話の設定、産業スパイが何故アメリカ人に?はぎこちないけれど十朱さんのいかにも昔、郭育ちらしい立ち居振る舞い、綺麗な回想の藝奴姿と現在の友禅屋の女将さん姿の艶やかさ、風呂上がりの素顔の落差・・普段の顔、堂々とさらけだせる所まで成長した女優ぷりが素敵だった。
京都弁が鮮やかで、何十年も昔、初めて渋谷ビデオスタジオへ御挨拶に伺った時も化粧前でテープに納めた方言を熱心に聞いてらした姿、思い出しました。
食事の制限から体型を保つための運動、なみなみならぬ精進をなさっていらっしゃったのをスタッフとして、側で見て知っていただけに今回の役、とても自然で巧かったと思いました。
舞妓さんから藝奴さん、大店の女将さん、恋の残像をひきずる女性・・ぴったりと似合ってます。
中途半端な年齢に差し掛かかり役を選ぶがもっと活躍してほしい女優さんである。何度でも殻を破れる人だと信じているので汚れ役も見てみたいし喜劇も期待したい。
娘役の藤原さんは大柄なので着物姿が不自然だけど、なぜ絵を描く彼女が着物姿なのかは「紋」に秘めた秘密、女心と男の思い出話しを線で結ぶのは流石に倉本さんらしくホロリとさせる。
それにしても凄いのは番組終了後の渡哲也さんのお知らせ・・一瞬本気にしてしまう所だった。
来週からのお知らせが一番、真に迫っていたのはどうにもお茶目にすぎますが日本に熟年の恋を描ける脚本はしかし・・・少ない、来週は一気に熟年離婚だしね(笑)。
スタッフが渡さんを好きだ・・と言う感情がモロに前面に出た企画だった。