卒業ねこ その後

ココは甘ったれの上、焼きもち屋さんで、大嫌いな事は私が電話で話をする事。 
ミャーミャー鳴いて邪魔をするから 「えっ!赤ん坊いるんですか?」
電話口の向こうで そそっかしい人は良く聞き間違えて叫ぶ、
高齢出産も良いとこ、無気味に思うのでしょう。 
仕事の長電話の時等はダイアルの上に乗ったり、終には前足でペシッと叩いたり、
兎に角電話嫌いなのだ。 
トイレは水洗が大好きな清潔好き・・・
私に抱こされて洋式便器の上で大も小もします。 
水を流す音が気に入っているのか抱かれたまま上から見下ろして、流れ終わると
満足そうに爪をムギュとさせます。
人間の赤ちゃんと同じスタイルでシーシーする猫も相当めずらしい。 
仔猫のうちは軽いのでなんて事は無かったけれど、オデブになってからは重くて重くて・・・
甘やかし過ぎたのです。
私が外出している時は我慢して待っているんです、専用トイレではめったにしない。
遅く帰ると限界なのでしょか? 飛び掛かってきます、始めはなんてどう猛なフランス女、イヤイヤ、 猫メ! たいそう気が荒いなー お国柄かしらん、と、心配でしたが・・・シーがしたい、と言う合図だと分かるまでは何回も飛び蹴りやペシペシ攻撃を受けました。
帰宅したら1にも2にもココのトイレ優先です。 シーシーと言いつつ抱こされて用を足すのが何より好きな変な子なんです。
3階から外には出さずに育てていましたら、運動不足に成ったらしくドシドシ太って来ました。

肩に乗るのがお得意でチョンと飛び乗ります、爪を切って置かないと大変
「ウギャ−ッ!」乗られたお客さんが大騒ぎしますから
でも降りません、そのままお散歩して欲しいのです。 困った子・・・
前の飼い猫、静か姫は大変エレガントな名前どうりの良い子でしたが

ココはお転婆です「性格は飼い主に似るのよ」・・なんて言われたり、濡れ衣だわ・・・。
日本に子孫を残そうと言う事になってお見合いもしたけれど男猫がビビって、
残念だけど其の点は確かに似ている。
お散歩に行く積もりでリード紐を付けてからドアのノブに結んで置いたら、
悲劇は突然やって来ました、

野良猫の牡が偲び寄って来たのです。
繋がれているのを忘れたココが猛然と襲い掛かったのですから堪りません。
紐が咽に食い込んで、階段の所でぐぎゃーっと大騒ぎ、
慌てた私が急いで引きつな(リード)を外そうと引っ張た瞬間ココは
お母さんである私の足に噛み付いたのです。

食い付いて離れないので「お母さんよ!離して!」と叫びました
目を開けて私を観た時のココの驚き様は気の毒なくらい
口を離すと同時に一目散に奧の部屋へ転げ込んでいきました。

呼んでも出てきません、
救急車を呼びました・・・動脈がきれていましたから
東大病院で傷口を縫い破傷風の注射をしていただき家にもどりました

部屋へ戻るのが恐かったのですが、ココだって知らない野良が恐かったに違い無い、
紐で結わかれて居なかったら追い掛けて追い払うだけで終わりだったのだ
今仲直りして置かなければと、大決心で足を引きずりながら3階へ戻りました

打ちひしがれて出て来たココは目が詫びていました、話し合うチャンスです、
抱っこ出来ない事を伝えシーは専用トイレでする事、
もう大人なんだから人の肩に乗ってはいけない事、
噛み付かれてもお母さんはココを愛して居る事、などを伝えました
愛は人・・猫を救う・・その日以来ココは猫かぶりを止めてどうやら私の本当の娘になったみたい
聞き分けの善い本当にお利口さんな娘さんに成りました。 ほんとヨ!


Retour