勝負料理

舌を巻く・・とか、次世代はもうまかせても安心、・・そんなことは自分の子供にはなかなか持てない感情だけど、とうとう最近そんな嬉しい感覚をたっぷり味わった。
ネットで微かなエロティシズム発散させながら独り言のようなつぶやきを気持ち良く、発信しているayaさんと何時も楽しそうなレスや食いしん坊なところが可愛いい文才の持ち主ERIさんが遊びにきてくれたのだ。
私は案外気弱なA型なんだけどお二人は明るいB型。ふたりとも外国旅行好き、酒好き料理好き、HPを観察していると日常細々けっこう美味しそうに自分のひとり御飯、好きにまかなっている。偉いな〜と感心しながら食材のやっつけ方が気に入って、この人達とお食事してみたい!と思い付いた。レシピに捕われずその日あるものをその日の気分に似合ったやり方で料理する柔軟性が気持ちいいのだ。
それにひきかえ最近の私はとみに怠け癖がつき、人でもお招きしないと新しい発見が出来ないのが悩み、それには確かな舌の持ち主と料理談義が一番。・・・タイミングが合ったのは半年後、やっと実現の運びとなった、わぉ。
メニユーをあれこれ考えてどんなふうにおもて成ししようかしらん?心が踊る。
ところが運の悪い事に、いつも買い出しに一緒に行ってもらうお嫁のフミちゃんと車を出してくれる息子が怒濤の激多忙中、いくら待っていてもお呼びがかからない。お客さまをお招きしておいて、なんということか・・・でもこんなことは年中なので最近は驚かずアッサリと予定を変えて何時ものように冷凍庫を開けることにする。

万一の時でも困らないように食材の冷凍向きを常に常備しておく習慣なのだが。しかたない相変わらずのワンパターンだけど、とタンを出し冷蔵庫で2日かかりで解凍する。これが一番旨い方法だし解凍から、すでに料理が始まるのだ。
若い人をお招きするのだから安い素材で自宅でも簡単に真似していただけるもの!という最初のコンセプトからは大きくそれてしまう。どうやら何時もなにかしら邪魔が入って思うように行かないのが人生だ。
買いだめの食材を放出、冷凍でも案外いける・・・にテーマを変えてみる。然し、車の運転を習っておかなかったのは最大の損失だな〜とぼやきながら家の側に出来たQUEEN'S ISETAN小石川が恨めしい。歩くには遠くタクシーじゃ近い、自転車も乗れないと不便きわまりない。
せめて!と若向きにフォアグラに敷くホーレン草を緑色鮮やかにソテーするはずが、茹で上がってしっかり朝のお浸しになってて笑う、相変わらず母の勇み足。
ま、仕方ない、刻んで生クリームで和えて皿に敷くとして、一人で順繰りに鍋など暖めながらサービスしつつ自分もしっかり楽しむためには全て完成させるか下ごしらえが大事なのだ。此の点カウンターでのサーヴィスは案外らくちんなのだ。(ありがと、デザインしたM君の先見性に感謝。)

そして約束ピッタリより早めにお二人登場、一目でどちらがどっち!と解るから不思議。文章は人と成りを現すものだと感じ入る。もっとも私は?、このくらい歳をかさねると魔女が顔を出すから若者を失望させるのは許してもらうとして!むふふ。
ERIさんにはオリーブオイルayaさんにタンゴのCDをお土産にいただく、ここにも個性がでるのがうれしい。

そして巻頭の印象へとつながるのだけど、二の腕むき出しのギャルはTVの画面でみるばかりだった、最近の隠居の目にAYAさんの腕が眩しく空調が不調だったので思わず持参のカーデガン、無理に羽織っていただき自分が小父さん目線なのに内心焦ったり、世の男性のために喜んだり、若い肌っていい〜。
このおふたり、ざっくばらんで才気溢れるお喋りと健啖家ぶりは作り手の私を大いに喜ばせるものだったのでわいわいと盛り上がる。
途中夜9時に電話が鳴ると、勘が良いのかERIさんの目が一段と真ん丸になり背筋がピンとなる・・セントルイスの順子さんからだ!きゃぴきゃぴと笑い声が響くはしゃぎ様に向こうは朝6時、寝起きの順子さんはさぞ驚いたことだろうが、彼女はERIさんの童話の熱狂的ファンなのだ。私とは何度かお話していたので、「驚かそう!ERIさんたちを!」とばかり、またまたお遊びを仕掛けたら喜んで乗ってきてくださった。約束ピッタリな時間が彼女にはトンでも無い時刻だというのに。
おなじように遊び心が若い素敵な方だ!ということだな〜・・・ありがたく盛り上がる。全員破顔。なんというひさしぶりの女だけの宴会かしら。ぐびぐびと仕上げにブランディまで。
ayaさんは感性が鋭くそれに加えて理知的な綺麗さが女らしい。実に将来が楽しみな人、現実的なのに夢想派という、仕事も遊びも能力全開という願ってもない人とお見受け。
ERIさんは冷静な判断力を優しさのオブラートで包みわざと三枚目を演じているけどほんとは可愛いい包容力の人羨ましいくらい首が長い。お喋り好きと噂のERIさんが案外無口な聞き役だったのは隠居の選んだ話題のせいだな〜、冷や汗。
ayaさんの簡単明快な結論の出しかたは聞いてる方がスカッと目が醒める、ひきかえにHP習得がのろのろなうえ、まだ其の遊び方をつかめない隠居は無駄なお喋りがつづくうちタイムリミットのサヨナラが来た。
あふあふと二人が去って突然の静寂が・・・、でも楽しく爽やかな突風を思い出し笑いしながら後かたずけする。
セッセとカウンターの手すり磨いて、缶ビールを片手にお土産のタンゴ大音量で聴いてから・・・歯をみがくと夜中の2時。メ−ルにERIちゃんの絵のメッセ−ジが、無事着いたとのこと。
すっかり満足した隠居の私は猫達の待つベッドに潜り込み翌日の夕方まで眠りこけたのだ。歳には勝てぬまさかの二日酔い缶ビ−ル余分だったかな。遊ぶのもいのちがけ?・・・でもなんと言っても遊んでもらっているのは私だな。

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ayaさんの感想文(ネットから引用)2001 3/12
> 土曜日、ぱとら邸にお邪魔してきました。
> 玄関空けたらすぐBarカウンターのあるお宅、伝え聞いてはいても実物見ると度肝ぬかれちゃった。
> ナイフ&フォークから人生の曲がり角、まで。なんでも自分のセンスで選んできたことの楽しさだけが(それは楽しくなかったことだってたくさんあるはずなんだけど)お家のそこかしこに溢れ。
> 自分の生き方は自分で責任とらなくちゃ、なんだけど、とったらとったなりにこんなにも素晴らしくなるものか、と嬉しくなります。
> 「うーん、人生って楽しい!」がわたしの昨晩の感想なのです、ぱとらさん。
・・・途中略・・・
> 頂いたおいしいお皿の数々はご一緒したERIさんのところに。
> またこのERIさんがまっすぐ、やさしく、明るいおねえさんで、わたし、自分のあまのじゃくっぷりを猛反省。
> さいきん素直になったはずだったのになー、まだまだでした。可愛いひとになります。がんばるわ。

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そんな・・・邸なんてもんじゃない廃屋なのに、こんな感性豊かな印象を頂きの、料理写真UPの、と。おもわず照れまくり涙目になりそうだった。ayaさんからもポストカードまで届いた。若い人こそやさしい、日本って大丈夫だなって実感し心からうれしかった。世代をこえて話しができるネットの力、あらためてここに知る!な日。


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