卒業ねこ 子育編

子供達が出来たらココの甘ったれが直ると皆さん思うでしょう? 
とんでも無い、前にも増して抱っこ大好きで子猫を押し退けてでも私の膝のうえに乗り、胸に両手を当てて向き合う形で抱っこされると私のお母さんだから、誰にもあげませんよーて感じで目をジッと見つめてゴロゴロ、その内に前足を肩の上まで伸ばして掴まり、頭をピッタリ胸に付けて眠ります。 赤ちゃんと同じポーズよねー

幸せそうに寝息を立てて・・・こうなると暫く動けませんからユラユラ上体を揺すりあやしつつ寝かせます。
高齢で出産したので疲れるのじゃない? 何の事は無い、甘やかしているのも私自身の様です

子猫達は隙を見ては膝の上を占領しようと何回か試みていましたけどそのつど蹴落とされるので、すっかり諦めて2匹で黙もくと遊ぶようになりました。 家の中をくるくる走り回り、どんな冒険でも2匹一緒! 組ず解れずしている様子を母ココは私の膝の上で満足そうに眺めて居るのです。 
御機嫌伺いに下へ降りる時は3匹ゾロゾロ一緒です。 
「こら!ココ! お前はもうお母さんなんだぞ!何時までも抱かさってないで、ホラ!、刺身食え!」
相変わらず父はお得意の刺身攻撃で気を引こうとしますがキャットフードしか食べないココには利き目がありません。 
「タンゴ、お前は食べるか?」
否だ、クララだってば! と何度も教えても父には黒猫のタンゴでインプットされています、昔、風呂場で時々歌う唯一の流行歌、だったので黒い子猫を見て思い出したのでしょう。 
「クララ!」「タンゴ!」両方で呼ばれるうちに面倒になったのかどちらにも返事しない生意気な黒猫娘になっちゃいました。 

チップ兄ちゃんは臆病で見知らぬ人の気配がすると一目散にテーブルの下に隠れます。 現在では唸り声を出しつつドアや窓の外を伺うので用心棒になっていますが、優しくて、噛んだり引っ掻く事が決して無いのも特徴なので当てにはなりませんが気を悪くすると行けないのでチップ兄ちゃんには内緒です。 

8月の頭に二匹去勢手術をしました。兄妹で育てる為の選択です。
無邪気な内に決行です、しかたありません。

「おっ、チップ、どうした?」「可哀想に何も悪い事してないのに手術されたのかい? 元気出せ!」父の口癖になりました。
「止めてよ、チップは気付いて無いんだからシーッ」慌てる私です。 

実家に行くと3匹は刺身は見向きもしないのですが一応その家の長老である明治生まれの父の足元に行き挨拶するようになりました。 
<イヨッ、御隠居、本日も御酒がお進みのようで、結構ですな>
<顔、赤いよ>
<煙草の銀紙丸めて投げて頂戴>
代わるがわるの御機嫌伺いが晩酌中続きます、平和な我が家です。 


Retour