2005/9/6 火曜日

ロング・エンゲージメント

Filed under: 感想 — patra @ 1:36:21

息子から送られた包みを開けるとロング・エンゲージメントのDVDだったので早速みる。

監督,ジャン・ピエール・ジュネと女優オドレイ・トトウ・・・ 「アメリ」のコンビと画面に写るだけで繊細さが伝わり、見る側を涙ぐませてしまう魅力の青年マネクを、ギャスパー・ウリエルが演じている。オドレイの演じるマチルドは脚が不自由、そのせいか感覚が人一倍鋭い。
誰もが祝福する似合いの恋人達を第一次世界大戦の戦場が無惨にも引き裂くお話なのだが・・・勘の鋭いマチルドはマネクの戦死を認めないのだ。

自らの手を撃ち軍法会議で死罪を宣告されたマネクと他4人はドイツ軍との前線である“ビンゴ・クレピュスキュル”と呼ばれる地に武器も食料も無く置き去りにされる。だが誰もマネクの最期を見たものはいない・・・

「もしもマネクが死んだのならば、私が一番わかるはず・・・」マネクの手の暖かみの記憶が残る胸を押さえマチルドは何度でも頷く。

真相を追求すべくマチルドの旅が始まるのだが謎ときの為に雇う探偵はイタチより悪賢い!と看板を掲げているのにお人好しの仕掛けが面白い。見ていない人のために詳しいことは避けるが私には素晴らしい映画だった。

アメリの時もインテリアにかなり惹き付けられたが今回もマチルドが暮らすブルターニュ地方の叔父さん夫婦の田舎家が1920年代の農家を忠実に再現してあり、木のテーブルや石鹸置きやレードルの棚、鍋や皿に至るまで、どれも私の好みだったので何度も画面をリプレイしました。

どの場面もすばらしいが圧巻は『風』だ。
今まで見たどんな映画より麦畑を揺らす“風”の妖しくうつくしい演技をみた記憶がない。

それと20年代の古き良きパリの街並の再現。CG技術がアメリカ映画とは違い古い名画をみているような血の通った感じ、戦場のシーン、爆撃シーンさえ絵になる。CGがあたたかいのに驚かされる。

ディテールの尋常じゃないこだわり方にもしや美術監督は女性?調べると、やはり女性だった。美術監督アリーヌ・ボンネット、使われる皿一枚、何から何までこだわる姿勢が当然ながらパラノイア的で凄い。

人の心の仕組みにはどんな風が吹いているのか?この映画の分かりにくい部分を嫌う人もいるだろう。だが、ノックする音にも耳傾け何かを読み取り真実を探りながら生きるマチルドと近い人間なのだな!自分は・・・と納得もしたのです。

「歩くと痛いの?」

この言葉からマチルドの奇蹟の愛がはじまります。

一つ難点は画面が美しすぎるので文字テロップが読みきれないうちに次ぎへとかわること、流す時間がもう少し長いといいな。

もう一つ重要な事、あるアメリカの有名な女優さんが出ています。完璧なフランス語に一瞬「似てる」と惑わされるけれど本人でした。当ててみるのも楽しい。


  1. ご無沙汰しております。
    掲示板では、「朝比奈」「あさこ」と名乗っておりました(^_^)
    お元気ですか?
    長い間、病気やら仕事やら、その他もろもろでパトラさんのHP
    を拝見していなかったら掲示板がなくなっていました。
    私のHPのアクセス解析を見ていてパトラさんのHPからこられた
    方々がいらっしゃって、逆に辿ってまいりました。

    ステキなブログですね。
    私のブログにリンクしてもよろしいでしょうか?
    私の方は、「花日記」みたいなもので、あまり面白くはありませんが
    画像はたくさんです(^_^)

    コメント by 鈴音 — 2005/9/6 火曜日 @ 16:16:13

  2. 朝比奈さん又は鈴音さん♪
    ほんとにおひさしぶりです〜っ。
    あなたとは長いおつき合いですね、森揺子さん繋がり。(笑)

    色々と大変でしたね、でもお若いうちに苦労をすると晩年が楽ですよ。

    掲示板、いまだに時々アクセス増えて今までのトータルで12万、
    たのしいおしゃべりの場だったから。

    リンクどうぞ、バナーは動く猫ちゃんで(笑)なんて。
    お花は大好き、いいなぁ綺麗なお花に囲まれてお暮らしなんですね。

    自然に囲まれてぜひぜひ長生きしてください。

    コメント by patra — 2005/9/6 火曜日 @ 20:18:11

  3. > あるアメリカの有名な女優さん

    声が独特だから吹き替えじゃないことがすぐに判るよね。
    彼女のお母さんはフランス人、小学校から高校までロサンゼルスのリセだって。
    どうりで!

    コメント by kyo — 2005/9/7 水曜日 @ 19:21:13

  4. 才女だからか、それにしても巧いフランス語!と猛勉強を感心したんだけど
    そうか、お母さんがフランス人でリセ!と聞けば納得です。

    吹き替えとは全く思わず、?ん?やっぱり!と驚きましたです。
    風邪、大丈夫ですか?

    コメント by patra — 2005/9/7 水曜日 @ 22:06:00

  5. patraさん、こんばんは♪
    ハレハレのhalです、書き込みに伺いました。
    ロング・エンゲージメント、私も観ましたよ〜。
    映像がとてもきれいでうっとりしました☆
    アメリカ人の女優さん、違和感なく溶け込んでいましたね。

    コメント by hal — 2005/9/8 木曜日 @ 0:26:15

  6. halさま♪
    いつも心憎いタイミングでTBしてくださって感謝しております。ありがとう。

    映像、きれいでしたね〜。
    アメリカの女優さん、はじめフランス人のそっくりさん?と一瞬思った私です(笑)

    「髄を残しておいてあげなさい」と叔父さんが言うテーブルの鍋、牛脛肉の骨付き煮込み(イタリアのオッソブッコ)とか、料理にも興味がありました。

    それでも自分のお皿に入れちゃう叔母さんが大好きです。
    コ−ヒ−ポットが私とお揃いだったんですよ、白地に赤いライン(笑)

    コメント by patra — 2005/9/8 木曜日 @ 10:02:28

  7. パトラさんの情報センスはとても信頼できると、常々感じておりま〜す。

    ロング・エンゲージメント、見なくっちゃ♪

    それと、私も馬大好きなんです。バイク好きなのは、ある意味、馬の面影追っていると思います。
    ということで、8.28のブログ、オーシャン・オブ・ファイアーは、実はすぐ食いついたのですよ。
    タイトルメモしたのをいつも持っているのですが、まだ、DVD借りれてません・・・動きが鈍い〜〜。(多分楽しみを先延ばしにする方。。。?)

    ジンガロも、随分前から知っていました。パトラさんが以前その話題出したとき、”よくぞご存知で〜”と、ウキウキなりました。

    このようなことを、パトラさんのブログ読みながら、つらつらと考えているのですが、
    「コメントが入れられるようになっている!」
    ということに、最近気づいたのですよ。なぜ、すぐにわからなかったのだろう〜〜〜ということに・・・驚きです(笑)

    コメント by chieko — 2005/9/8 木曜日 @ 23:00:42

  8. おまちしておりました〜chiekoさぁん♪

    ぜひぜひ見てくださいましよ、ロング・エンゲージメント!!
    ギャスパー・ウリエル・・・かわいい男の子、絶対に氣にいると思うな。

    私、腐っても鯛ですから(ばか丸出し)情報は強いネットを持ってます(笑)なんて。

    馬好きならばぜひあのチャーミングなヒダルゴ君の流し目を体験してみて!

    悶絶するくらい可愛い。コメント開けないと忘れられそうだったからですが

    うれしいお馴染みさんの御訪問に浮き浮きしてます。ありがとう。

    コメント by patra — 2005/9/9 金曜日 @ 1:14:31

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