2004/9/12 日曜日

ユン・ソクホ監督

Filed under: 人物 — patra @ 2:15:20

冬のソナタが終わった時、ハマる人と「全く気が知れない」と嘯く人と極端に別れたけれど、見るのと噂を聞くのとは大違いなものだ。
良く出来たドラマだったが、それ以上に考えさせる部分が多いのも魅力だ。
役者の人気なんか吹き飛ぶ、儒教精神が底流にながれている!そんなドラマ造りが産んだ奇蹟なんだな!とNHKのグランドフィナーレを見て思った。

若い脚本家の女性ふたりは「ずーっとひとりの人を思い続ける純愛を強調したくて、様々な短い別れ!を設定しました」と語る。シーンに挟まれる間の秒数の長さ、このマの演出が見事にハマったのだ。「日本の視聴者がより以上の感性でこのドラマを育ててくれました!」と語る監督のユン・ソクホ。
「今の世の中は強い人間が目立つけれど、善良で素直な人も世の中を守る力がある!・・と言うことを伝えたかった」
彼の言葉の中にこそドラマをヒットさせた原動力となる視線が在ると思った。

朝、青年が恋人のために用意した果物とミルク、そのグラスに、さり気なく被せられた紙ナプキン・・・のシーンがある。
誰も居ない部屋に置かれたそのグラスを発見する時の女性の表情・・・・。

青年がホコリを避けるために紙ナプキンをミルクのグラスにかぶせ置く・・・とは!並な目線ではない。家族の中で日常としての躾を受けてはじめて気づく動作だ。

こんな些細な優しいシーンを「ぜひ狙いにしたかった!」と語るソクホ監督の育ちの良さ(儒教精神)があってはじめて初恋ドラマは一層の輝きを増したのだと思う。
 
視聴者代表の困難な現実生活を聞き言葉より先に肩を抱き締める監督、まさに思い遣り、随所賞。


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