グラン・シャレ夢の刻(ひととき)
「これが本当の恋だったのか・・・今までは恋をしらなかった」
この何ともドラマチックな言葉を初めてバルテュスと出会った時に、勝新太郎さんがつぶやいたそうだ。
まるで磁石がひきつけあうように、出会うべくして出会う!とは人に限ることだけでは無いらしい。
画家バルテュスとその美しい、節子夫人にはある種、共通した魔法の力とでも呼びたい波動をお持ちのようだ。
グラン・シャレ・・と呼ばれる、スイスの最も古い木造りの旅籠を見学に行き節子夫人は一目みて後ろにつづくバルテュスを振り返り「この館に住みましょう」とまるで運命を予知するかのように言うのです。
その館の壁面には聖書の箴言が刻まれているのです。
どのような経緯でこのグラン・シャレがお二人のお住いになるかは読んでお楽しみください。
イタリアの古城との出会いも含めそちこちに宝石のようにちりばめられているエピソードの数々はまるで魔法のように我々の心を捉えます。
お二人の手にかかると集まる全てが新しい息を吹き込まれて蘇るのです。イタリアでスイスで京都で運命の出会いが、バルデュスが92才で亡くなるまでの思い出を節子夫人の美しい日本語で綴られています。
御伽草子を開いているような「これが恋・・」そんな心地良さで溢れています。
側に置いておきたい1册ですが表紙は自分で造ってみるつもり。そんな気にさせる「グラン・シャレ夢の刻」世界文化社から著者 節子・クロソフスカ・ド・ローラ
